圓照寺の初代本尊
阿弥陀如来は、西方の極楽浄土の教主。浄土宗では本尊と崇め、黒仏は圓照寺の初代本尊と伝えられている(現本尊は3代目)。霊験あらたかで、次のような伝説が残されている。
圓照寺は、古い往還である根方街道(県道22号)に面している。いつのころか門前を馬に騎乗したまま往来すると必ず落馬するようになった。そこで、それまで街道に向いていた仏を後ろ向きに安置したところ、落馬する者はいなくなった――。
像容は、高さ90cnほどの立像。ヒノキの一刀彫りで、なるほど名の示すとおり色黒い。来迎印をむすび、背に大きな舟光背。ほっそりとした御姿で、面立ちはやや表情に欠けるものの、やさしく微笑んでいるようす。製作年代は分かっていないが、けっこうな古仏のようだ。ご住職の話によると、光背は後付けだという。