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三輪 神神社

本殿
文化8年(1811)10月建造の本殿および三輪鳥居
名 称
神神社[みわじんじゃ]
所 在
静岡県志太郡岡部町三輪字杉本1290
主 神
大物主大神
配 神
天照皇大神 葛城一言主神
創 建
伝:皇極天皇3年(644)4月中の午の日
例 祭
2月8日:山の神祭 6月30日:大払式 10月19日以降の日曜日:大祭
敷 地
968坪
神 紋
三つ輪違
社 格
式内社(小) 旧郷社
備 考
山の神祭 山宮祭(町民俗)
神 徳
医薬・酒造、方位除けなど

高草山を神奈備とする三輪系古社

境内
古木生い茂る小丘に鎮座

志太郡岡部町の南端、高草山(501.4m)西麓の三輪地区に鎮座している。皇極天皇3年(644)、疫病鎮護のため大神神社(奈良県桜井市)を勧請して創祀されたと伝わる三輪信仰の古社で、『三代実禄』に「美和天神」、『延喜式』神名帳に「神神社」、駿河国神名帳には「正二位 三輪明神」と所載されている。

水田がひろがるのどかな風景の一角、古杉などに覆われた高さ20mほどの小丘が神域。江戸末期の地誌『駿河記』に「在田中丘杉松雑木林」と紹介されているが、いまもそのままの佇まいをとどめている。玉砂利の参道をすすみ文政9年奉納の石鳥居をくぐると、間口のひろい入母屋造りの拝殿があり、背後の小丘に本殿、神木、井戸、そして三輪系特有の三輪鳥居がある。

高草山
朝比奈川右岸から望む高草山
三輪山に似た、なだらかな山容

鳥居のさきには石積みの磐境があり、延長線上になだらかな稜線の高草山。大神神社が三輪山を神体山とするのと同様、当社も高草山を神奈備とし、磐境は本殿設置以前の祭祀場であったという。いまでも主要祭礼では、磐境におんべいと呼ばれる御幣を立て、本殿と同じ神饌を奉げる山宮祭(町民俗)を行っている。

例祭は10月19日。前述のように磐境へ御幣5本を立て、白おこわを献じる。存否は不明だが、昭和初期の『静岡縣神社要覧』『静岡縣神社志』は「山に入り白蒸飯を3石3斗3升3合と唱えつつ撒き散らす」とも所載している。2月8日には、高草山中腹の磐座で「山の神祭」(町民俗)。里に向かって矢を放ち、山の神を田に迎えて豊作を祈願する神事で、同様の祭儀が周辺地域に点在する。

鳥居 拝殿
文政9年10月奉納の石鳥居 拝殿は昭和6年建造
透塀 磐境
拝殿の直ぐ後ろに門と透塀
そのさきは高さ20mの小丘
磐境図。残念ながら目視はできず
参考『日本の神々 神社と聖地10』
拝殿 井戸 神木
拝殿頭貫上、鼠の透彫 かみなり井戸 神木の大杉

境内社

境内社
本殿と磐境のあいだに木造祠

目視できた境内社は木造祠1基と石祠数基。木造祠は本殿と磐境のあいだ、神木の根元付近にあり、石祠群は本殿左手にある。また、本社の南約100mの水田のあぜ道に、田明神の旧跡。昭和60年に本社境内に遷座したが、いまでも1月11日の祭礼は旧跡で行っているという。

なお、明治45年の『明治神社誌料』では大神宮、豊受大神社、須賀神社、事代主命神社、奥津比古命神社、奥津比賣命神社、伊造神社、八幡神社、田明神社、神后乃森神社の計10社。昭和8年の『日本社寺大觀神社篇』および同12年の『静岡縣神社要覧』も同様、同16年の『静岡縣神社志』は大神宮(天照大御神)、豊受大神宮(豊受比賣命)、須賀神社(須佐之男命)、事代主神社(事代主命)、奥津比古神社(奥津比古命)、奥津比賣神社(奥津比賣命)、伊造神社(伊雑大神)、八幡神社(誉田和氣命・息長帯姫命・玉依姫命)、田明社(不詳)、神后乃森神社(不詳)。同52年の全国神社名鑑は末社13社と記している。

祠 田明神
石祠群 田明神旧跡

由来端緒

社伝によると、皇極天皇の御代(642~645)、東国に疫病が蔓延したため、崇神天皇の御代(前97~前30)に疫病鎮護のため大神神社(奈良県桜井市)を祀った吉例にならい、皇極天皇3年(644)4月中の午の日に、同社神職であった太田多根古命26代の子孫・三輪四位に分霊を奉斎させたのが始まり。そのとき、摂社・末社および地名にいたるまで、大神神社にならったという。

『三代実禄』には「美和天神」とみえ、貞観15年(873)8月4日に従五位下から従五位上へ、元慶2年(878)5月17日に正五位下へ昇叙している。延喜の制で小社に列し、当国神名帳には「正二位 三輪明神」とみえる。また、元慶2年(878)に勅使・武原中納言が奉幣、元寇のときにも奉幣があったと伝える。社号は古来、美和天神、三輪明神などと称し、江戸後期の地誌には三輪神社(『駿河記』)、神神社(『駿河志料』)、三輪大明神(『駿河国新風土記』)などと所載。社領は朱印地35石9斗5升、除地2石。明治6年、郷社に列した。

『静岡県志太郡誌』は『岡部町誌』を引用し、神階の昇叙を以下のように記している。仁寿元年(851)正六位上、貞観元年(859)従五位下、▲同14年(872)従五位上、▲天慶2年(939)正五位下、寛平9年(897)正五位上、天慶3年(940)従四位下、永保3年(1083)従四位上、永治元年(1141)正四位下、治承4年(1180)正四位上、元暦2年(1185)従三位下、建仁2年(1202)正三位、弘長元年(1261)従二位、建治元年(1275)正二位、▲永徳元年(1381)従一位、正応6年(1293)正一位。なお、誤植とおもわれる箇所がみっつ(※▲)。同14年→同15年、天慶2年(939)→元慶2年(878)、永徳元年(1381)→弘安元年(1278)だろうか。

参考文献 境内掲示板、国史大系 日本三代實禄、国史大系 交替式 弘仁式 延喜式、駿河記、駿河志料、修訂駿河国新風土記、駿國雑志、明治神社誌料、静岡県志太郡誌、静岡縣神社要覧、静岡縣神社志、日本社寺大觀神社篇、岡部町史、全国神社名鑑、日本の神々 神社と聖地10、式内社の研究、日本歴史地名体系、角川日本地名大辞典
(フォト撮影日:平成19年5月12日、10月6日)

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