岩本 愛宕神社
![]() 岩本山の頂付近に鎮座する愛宕神社 |
名 称 愛宕神社
所 在 静岡県富士市岩本字表山1899
主 神 火産霊神
創 建 伝:文亀元年(1501) 例 祭 4月3日
敷 地 289坪 社 格 旧無格社
神 徳 防火、火伏せなど
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岩本山の頂に鎮座する小社
富士川東岸になだらかな稜線をみせる岩本山。濃緑の茶畑と山林に覆われた標高192mの丘陵で、近年は風致公園としても整備がすすみ、梅や桜、躑躅の名所として名高い。あまり知られていないが、この山の頂付近を「愛宕山」と呼ぶそうで、山頂からすこし下ったところに由来となった愛宕神社が鎮座している。 愛宕神社の総本社は、京都市右京区の霊山・愛宕山(924m)の頂に鎮座する愛宕神社。ふるくから神仏習合の山岳修験行場として知られ、とくに防火・火伏せに霊験あらたかと信奉された。中世以降、愛宕信仰は、修験者によって各地にひろめられ、現在は全国におよそ900社余りが分布するという。富士市内には、高島町(加島地区)、鮫島(田子浦地区)にも分社がある。 岩本・愛宕神社も、他の愛宕神社と同じく愛宕修験者によって勧請された、あるいは岩本山南麓に伽藍をひろげる岩本山実相寺の火難鎮護に祀られたのでは、と考えられている。また、『富士郡神社銘鑑』などが紹介する古老の口碑では、「文亀元年(1501)夏大霰(あられ)降リシ時ニ此神ヲ祭ル」。……いまひとつ要領を得ていないのは残念だが、なかなか興味深い伝承である。 鎮座場所は、岩本山公園の駐車場から歩いて2~3分。登山に2時間かかるという京都・愛宕山に比べ、アクセスはとてもかんたんだ。けれども、おすすめは麓の実相寺から続くハイキングコース。実相寺の境内を縦貫していく参詣道で、市文の仁王像や一切経蔵堂彫刻を拝観でき、途中の見晴台では富士の街並みも楽しめる。こちらはのんびり歩いて約25分。 |
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社前に展望台 | 秋葉山常夜灯 | 愛宕神社社殿 |
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社前展望台。愛鷹連山と富士市街 | 岩本山公園からの富士山 |
参考文献 駿河志料、富士郡神社銘鑑、岩松村地史、富士市の神社、角川日本地名大辞典、日本歴史地名体系 |
(フォト撮影日:平成17年2月22日、18年11月25日、19年3月31日) |
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