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飯綱神社(江尾)

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名称飯綱神社いいづなじんじゃ
所在静岡県富士市江尾字久保上712
主神宇迦之御魂神
配神素盞鳴尊 瓊瓊杵尊 大己貴命 大山津見命 疱瘡神 菅原道真
創建不詳例祭10月17日
社地255坪神紋十六菊
社格旧村社備考市保存樹林
神徳五穀豊穣、病気平癒ほか
交通岳南鉄道江尾駅より徒歩5分 駐車場無
  1. 由緒
  2. 境内概要
  3. 写真
  4. 関連リンク・参考文献

飯綱法用いた修験の社

富士市の南東部、かつて富士郡と駿東郡の境だった江尾(えのお)に鎮座している古社。いまはごく変哲もない、いわば「ありふれた地域の鎮守さん」といった風情だが、古くは飯綱法を用いた修験の社だった。近郷近在の社とは一線を画す濃い縁起を伝えている。

菊花
  1. 沿革
  2. 飯綱神社と大福院
沿革
創祀~江戸期

崇神天皇10年(前88)、東海道に派遣された四道将軍・武淳川別命によって創建されたと『神社明細帳』は伝えている。また南北朝期、時の社人が南朝に尽くした功績から菊花の紋を賜ったとされ、下って戦国期、同社で行った飯綱神法が名を馳せたことから、「飯綱神社」を称するようになったという。

江戸期は修験・大福院管理のもと江尾村の総鎮守として敬われ、2斗5升7合の除地を有した。棟札によれば、宝暦8年(1758)9月に社殿改築し、天保3年(1832)9月に再建・遷宮している。棟札や大福院の寛政11年(1799)『山寺号并除地堂社別當人別改帳』によれば、当時は「飯綱大明神」と称していた。

明治期以降

明治維新後神道へ復し、同8年(1875)村社に列格、のち神饌幣帛料供進神社に指定された。また現在の配神を鑑みるに、かつて江尾に在って今はない「天満宮」「子神宮」「愛鷹大明神」「山神社」「疱瘡神」の各社を合祀したようだ。これら各社は明治中期『皇國地誌』では独立社として載っているから、合祀はその後のことだろう。

『皇國地誌』によれば、当時は東西14間、南北21間、面積8畝15歩の規模。祭神は「稲蒼魂命」表記で、祭日は9月19日だった。下って大正期の『須津村誌』は祭神を「宇迦之御魂神」と表記し、境内355坪、祭日は10月17日。昭和初期の『富士郡神社銘鑑』は「境内255坪 氏子103戸」と付記している。

飯綱神社と大福院
飯綱神社の根本社

飯綱神社の根本社は、長野県北部の飯縄山(標高1917m)山頂に鎮座している(里宮は長野市の皇足穂命神社)。古くから山岳修験の霊地として知られ、中世は軍神として上杉謙信や武田信玄など諸武将から信奉された。

現在の祭神は保食命だが、もとは飯縄権現を祀った。飯縄権現は白狐に乗った烏天狗形であらわされ、飯綱修験の験者は「飯綱法」とよばれた狐(管狐)使いの法を用いたという。

江尾飯綱神社の祭神

明治以降は「お稲荷さん」で知られる宇迦之御魂神を祀るが、もとは飯綱の根本社と同じく、飯縄権現を祀っていたと考えられる。明治期の神仏判然令や修験道禁止を受け、神道系の祭神へ改めたに相違ない。

別当大福院

江尾の飯綱神社も修験と関わりが深い。戦国期、同社で行った飯綱神法が名を馳せたと伝え、江戸期は当山派修験の正當山大福院が別当をつとめた。飯綱神社から愛鷹山に続く登山道には、研ぎ石や神楽石と名付けられた大岩のほか、祭祀・行場の遺構が残るというから、この一帯で修行していたのかもしれない。

愛鷹山
富士山と愛鷹山(撮影/旧富士川町)

大福院は、寛政11年(1799)『山寺号并除地堂社別當人別改帳』によると江尾村の飯綱大明神をはじめ、天満宮、子神宮、愛鷹大明神、山神之社、増川村の八幡宮、山神社、浅間神社の別当だった。

さらに棟札をみると、田中新田・粟嶋大明神や船津・浅間神社の勧請法主として「大先達大福院」「大福院権大僧都」の名がみえる。江尾、増川にとどまらず、現・富士市東部で広く活動していたようだ。

神仏分離以降は「大森氏」として神職につき、飯綱神社のほか、瀧川神社中里八幡宮日吉浅間神社などの祠掌もつとめた。ただ、こんにちは神職を離れていると聞く。

大福院(大森氏)について『須津村誌』は、「此ノ近傍神社ノ神官タリ~~(中略)~~大森家ハ修験職ニテ飯綱神社ニ奉仕シ前代玄海マデ四十五代ヲ閲ストイフ」と所載している。

なお且家には十種神宝図や神代文字、宝剣も伝えられていた。

シイやヤマモモの大木に囲まれ

岳南鉄道の終点・江尾駅から北へ歩くこと5、6分。根方街道を越え、坂道を100mほどのぼった右手、一段小高くなった場所に飯綱神社は鎮座している。まことにこぢんまりとしているが、おそらくかつては街道からここまで一帯、すべて神社の土地だったに違いない。

分岐
根方街道との分岐点(例祭日の風景)

神域はクロガネモチやシイ、ヤマモモの大木に囲まれてひっそりとした佇まい。南側の石垣中央にえぐったような石段が設けられ、上がりきったところに古びた社殿が建つ。拝殿は瓦葺きの宝形造。その姿からか、はたまた歴史ゆえか、どことなく修験の面影を感じる。

参道
参道
拝殿
拝殿

なお『須津村誌』に、

「本社ノ傍ニ神木トシテ椋ノ老樹アリ周凡ソ二丈五尺 里ノ語リ伝フル所 《今ヨリ百年許前モ同様ニ見ユ却ツテ他ノ若木ノ為メニ壓セラレテ追々ニ衰フ 千年ニ近キ神木ナラン》木ノ幹ハ朽チテ若枝蔓々トシテ二丈許ノ上ニ周三尺許リノ榎ノ木寄生ス」

とある。いま、それらしき老木はない。まことに残念ながら朽ちてしまったようだ。

社殿
社殿風景
境内風景
例祭
例祭日の風景
外観
神域外観
境内
境内風景
扁額
素朴な拝殿扁額
本殿
本殿
懸魚
本殿の懸魚(亀)と千木
神紋
本殿屋根に神紋
懸魚
懸魚(鶴)

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参考文献 境内掲示板、山寺号并除地堂社別當人別改帳、駿河志料、駿河記、修訂駿河国新風土記、皇國地誌、須津村誌、富士郡神社銘鑑、全国神社名鑑、郷土誌須津、富士市の神社、日本神祇由来事典
(フォト最終撮影日:平成24年8月25日)
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