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豊積神社

本殿
文政8年(1825)に再建された町文指定の本殿
名 称
豊積神社[とよつみ或はとよすみ]
所 在
静岡県静岡市清水区由比町屋原字井戸尻185
主 神
木花佐久夜毘賣命
創 建
伝:延暦10年(791)、白鳳年間、朱鳥元年(686)など
祭 礼
1月1~3日:お太鼓祭り 7月上旬:輪くぐり祭 10月:秋季例祭
敷 地
1,215坪
神 紋
棕櫚の葉
社 格
式内社(小) 駿河国二宮 旧郷社
備 考
お太鼓祭り(県民俗) 夫婦いちょう 本殿 由比郷御縄打水帳(町文)
神 徳
安産・子宝・火難除けなど

奇祭・お太鼓祭りで知られる古社

入口
旧東海道にたつ社号標と玉垣

由比宿と桜えび漁でしられる由比の沿岸部に鎮座する。塩の香りただよう旧道沿いに社号標と延享2年(1745)の玉垣が現存、そこから北へ150mほど歩くと境内だ。道路整備された旧参道に「鳥原より社前まで櫻多し」(『東海道名所図会』)の面影はないが、社は老木に抱かれ、古社然とした佇まいを見せている。

白鳳年間、あるいは延暦10年(791)の創祀と伝えられ、式社「豊積神社」と目されている。祭神は木花佐久夜毘賣命で、社号は祭神の別名・豊吾田津姫命と父神・大山積命から1字ずつとったという。中世以降、「浅間社」「豊積浅間」などと称され、武田・徳川氏などから社領を寄進されたほか、4月・9月・11月の祭礼には国方奉幣使が来参・勤仕。地域随一の格式をほこっていた。

境内
境内風景および昭和21年再建の拝殿

2基の鳥居をくぐり、薄暗い参道をゆくと、左手に参集殿や井戸・手水舎、右手に御神木のイチョウ(県天然)がそそりたつ。さらに鳥居をくぐると頭貫上・木鼻・虹梁・脇障子に彫刻を施した拝殿がたち、後ろに文政8年(1825)再建の本殿(町文)が鎮座。小ぶりながら、海老虹梁が美しい総欅造りの一間社流造りである。

祭礼で知られるのが三箇日に行われるお太鼓祭り(県民俗)。坂上田村麻呂が東征の帰路に立ち寄ったおり、3日2晩行われた戦勝祝賀の宴が起源という伝統の祭りだ。元旦の昼過ぎから3日の朝にかけ、町屋原の青年団が大きな陣太鼓を担いで区内をねり歩き、威勢のよい太鼓の音に合わせて甚句形式の唄を披露。唄は約700曲あるといい、毎年200曲ほどを繰り返し唄うという。

社叢 社頭
古木林立。こんもりとした社叢 社頭風景。太鼓橋と一の鳥居
太鼓 参集 手水
1200年記念碑 参道脇に参集殿 井戸・手水舎
狛犬 灯籠
拝殿前の狛犬。大正15年11月銘 拝殿前の灯籠。明和6年、弘化3年

境内社

本殿の玉垣内に、5社合殿と祠2基。本殿の西側に合殿(山宮神社=大山祇命、日枝神社=大山咋命、速須佐之男命、須賀神社=速須佐之男命、稲荷神社=倉稲魂神、磯前神社=大国主命、事代主命)があり、玉垣の左上隅と右上隅に石祠がある。また、本殿の東側から境内最深部へ参道がのび、突き当たりに大きなクスノキを背にした白鬚神社(猿田彦命)。

石祠 石祠 参道
左上隅の石祠 右上隅の石祠 白鬚神社参道
合殿 白鬚
5社合殿 江戸期は摂社だった白鬚神社

由来端緒

式内社「蘆原郡 豊積神社」の有力論社。当国神名帳に「正五位下豊積天神」、当国風土記に「豊積神社 或止由氣神社 日本武尊祭レ之地也。國中之二宮也」とみえ、当国二宮とされる。社号は豊積神社のほか、浅間大明神、浅間社、豊積浅間、由井浅間豊積大明神、豊積之社浅間大明神などと称した。

天正7年(1579)武田氏は「由比之浅間」に12俵2斗4升を寄進。同17年7月13日、朝比奈双白は源大夫に「浅間」領として米12俵2斗7升4合・田畑・屋敷・塩地を安堵。江戸期は「由井浅間」に由比郷内から朱印16石8斗5升を与えられ、ほかに居屋敷除地2反5畝19歩を所有。明治元年10月6日、御東幸のおりに植松少尉が勅使として参向、金幣を奉じる。同6年郷社に列格。

縁起の移り変わり

資料毎に差異があるため、時系列で紹介する。

まず、江戸後期の『東海道名所図会』を引くと、「(豊積神社)社説に云く、むかし天武天皇御宇勧請。其後大同元年(806)坂上田村将軍東夷征伐の時、祈願して再興ある」とみえる。『駿河志料』には「(浅間社)祭神、木花開耶姫命、御母神。上古よりの鎮座なり、年歴久遠にして詳ならず」。『駿河國式社備考』には「(由井町屋原浅間社豊積)社記に祭神木花開耶姫命・御母神2座とあり」とある。江戸期は木花開耶姫命・御母神を祀っていたようだ。

下って『静岡県庵原郡誌(大正5年)』、『由比町誌(昭和34年)』、『由比町小史(同36年)』が紹介する「社伝」には、延暦10年(791)4月の初未日、夢想神託によって創建されたとある。同16年坂上田村麻呂が東征のおり、その縁起を聞いて朝廷に奏上。のちに官幣を奉じられ、豊積の社号を賜る。社号は木花佐久夜毘賣命の別名・豊吾田津姫命と父神・大山積命から1字ずつとって豊積になったとしている。昭和10年代編纂の『静岡縣神社要覧』『静岡縣神社志』も延暦10年の創建としており、ここでは「お太鼓祭り」の起源を、坂上田村麻呂が東征からの帰路、戦勝奉賽として奉納した神楽にあると付記。

『由比町の歴史(昭和47年)』、『由比町史(平成元年)』は、『由比町の歴史』の印刷直前に発見されたという「文書」を用いている。曰く、白鳳年間に豊受姫命を勧請。延暦10年(791)4月、神主の枕頭に浅間大明神が現れ、社殿造営を指示するとともに、坂上田村麻呂の社参を予言。以降、木花佐久夜毘賣命を併せ祀るようになったとある。さらに同16年、坂上田村麻呂が東征の途次に社参し戦勝祈願。このとき夢想神託の話を聞いて朝廷に奏上、同年9月14日に勅使参向があり、官幣を奉じられ社号「豊積浅間」を賜ったとしている。そして『由比町の歴史』は、豊受姫命はいつしか境内社(稲荷社)に遷宮したのだろうと推測。境内掲示板もこれを引いており、現在では「社伝」にとってかわった格好。

以下、参考用に一部引用。

社伝 「當社ハ延暦十辛未年四月初未日、夢想神託ニ依リテ創建、延暦十六年田村麿将軍東征、其ノ事ヲ聞キ之ヲ朝廷ニ奏ス、是於豊積神社ト社号ヲ賜ヒ・・・」『静岡県庵原郡誌』『由比町誌』

文書 「社伝ニ拠レバ、当社ハ遠ク人皇第四十代天武天皇ノ御宇、即チ白鳳年間、豊宇気毘売神ヲ祀リテ豊積神社ト称シ、勧請ノ起因ハ東海道名所図会ニモアリ・・・」『由比町の歴史』

参考文献 境内掲示板、東海道名所図会、駿河記、駿河志料、駿國雑志、駿河国新風土記、明治神社誌料、静岡県庵原郡誌、静岡縣神社要覧、静岡縣神社志、神道体系、由比町誌、全国神社名鑑、由比町史、ふるさと由比、日本歴史地名体系、角川日本地名大辞典、静岡県の祭ごよみ
(フォト撮影日:平成17年~20年。最終5月17日)

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