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藤澤山 妙善寺

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名称
妙善寺みょうぜんじ [山号:藤澤山とうたくさん
所在
静岡県富士市原田1344
宗派
臨済宗妙心寺派
本尊
釈迦牟尼仏
創建
伝:天平年間
開基
行基
開山
行基
本寺
興津清見寺
寺紋
丸に下がり藤
鎮守
観音堂
備考
木造十一面千手観音坐像 木造多聞天・広目天像 奉納俳句扁額(市文)、駿河国三十三所観音霊場第28番札所  駿豆横道三十三所観音霊場第18番札所 富士横道観音霊場第21番札所
交通
岳南鉄道比奈駅より徒歩14分 駐車可能

千手観音所蔵する「滝川の観音さん」
小栗判官と名馬鬼鹿毛伝説

観音
境内入口に安永7年の石碑

岳南鉄道比奈駅から15分ばかり坂道を上がると郷社・瀧川神社が鎮座し、その裏手に赤い屋根が印象的な御堂が建っている。「滝川の観音さん」と親しまれる妙善寺だ。天平年間(729~49)、行基が全国各地に建立した観音堂のひとつが起源、と伝えられる。

寺域は集落の奥部に位置し、なかなか緑豊か。木立を背景に建ち、境内は多様な植栽と桜の木々に彩られている。

入口に寺号標と石碑がたつ。寺号標は近年のものだが、石碑は安永7年(1778)と古く、表に「観世音菩薩」とある。参道をゆくと正面にくだんの御堂がたち、右奥に白い御堂。前者が観音堂で、後者は本堂だ。

本尊は釈迦牟尼仏。けれど、それよりも有名なのが、愛称由来の十一面千手観音坐像。観音堂に祀られている。脇侍の多聞天・広目天像ともども室町期の作と推定され、いずれも市文指定。また観音堂扁額は、交流のあった白隠の筆とされる。

観音堂
観音堂

妙善寺は、正保2年(1645)僧峰得によって再建され、この時から妙善寺と称した、と伝えられる。それ以前の寺名や沿革はほとんど分からない。

行基開基だから真言宗だった、あるいは小栗判官伝説(後述)や山号から藤沢清浄光寺と関わった浄土系寺院だったのでは、と考えられているが、むろん確証はない。

慶長19年(1614)観音堂改築の棟札に、「藤澤山は観音堂の尊主・千手観音を守護するため、観音堂の傍らに建てられたといわれている」とある。縁起でも、行基が建てたのは観音堂であって、寺ではない。行基云々はともかく、まず観音堂が存立し、のち諸施設が付帯、寺へと発展したのだろう。

観音堂は、鎌倉期の文保元年(1317)10月11日に再建されている。

大発願主は頼尊という。

この人は富士山の修験者である。「般若上人」とも呼ばれた。俗名は分からないが、『富士大宮司系図』によると浅間大社大宮司・富士直時の従兄弟にあたる。鎌倉期に富士行を興し、一般人にも登山を勧めたとされ、富士山表口を管掌した村山修験の中興の祖。村山と同じく本山派に属した多門坊の開祖頼尊や、東泉院の『富士山大縁起』を書写した正別当頼尊も同一人物とされる。

どうやら中世の観音堂は、村山修験と関わりを持っていたらしい。

妙善寺の南にある瀧川神社は、頼尊ゆかりの東泉院が管掌した古社で、本地仏は千手観音とされた。あるいは観音堂は、瀧川神社の本地堂だったのかもしれない。

妙善寺に伝わる小栗判官伝説
鏡石
照手姫が化粧鏡に用いた鏡石

観音堂下に、鬼鹿毛が眠っていると伝えられる。鬼鹿毛は、小栗判官の伝説に登場する名馬。

時は室町期。常陸国の小栗城主・小栗満重は、鎌倉管領足利持氏との戦に敗れ、東海道を西へ落ちた。相模国で美女照手姫と鬼鹿毛を得たのち、駿河国妙善寺に身を寄せ、さらに三河国、丹波国と移り、ここに鬼鹿毛を預けて紀伊国に向かった。しかし、鬼鹿毛は事情を知らない。主人を慕い、探し、妙善寺に至り、ついに力尽き息絶えた。寺は鬼鹿毛を観音堂下に葬り、ねんごろに供養したという。

旧1月17日の縁日では、かつて鬼鹿毛をしのび草競馬が催され、近年は体験乗馬が催されている。また近くの鑑石園の湧水に「鏡石」がある。照手姫が寺に滞在した時、この石を化粧鏡に代用し、朝夕容姿を整えた、と伝えられる。

寺号
境内入口
参道
参道風景
境内
境内風景
観音堂
観音堂
木鼻
観音堂の木鼻
扁額
観音堂扁額。白隠の筆
広目天
観音堂・広目天像
多聞天
観音堂・多聞天像
不動明王
観音堂・不動明王像
馬頭観音
観音堂・馬頭観音像
額
横道霊場の奉献額
鐘楼堂
鐘楼堂
本堂
本堂


参考文献 境内掲示板、鑑石園掲示板、駿河記、駿河志料、郡誌編集資料原田村、原田村沿革誌、日本名刹大事典、富士市のまつり、富士市の寺院、富士市の仏教寺院、文化財めぐり、郷土資料辞典、浅間神社の歴史、修験道辞典、日本歴史地名体系

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