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阿幸地 悪王子神社

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名称
悪王子神社あくおうじじんじゃ
所在
静岡県富士宮市阿幸地町747
主神
火之御子神
創建
伝:貞観5年(863)
例祭
11月3日
敷地
878平米
神紋
丸に棕櫚の葉(幕)
社格
旧無格社
摂末
石祠、稲荷社、山神社
備考
浅間大社元末社
神徳
火伏せ・火難除けほか
交通
JR富士宮駅より徒歩15分 駐車場無

阿幸地の地名由来となった古社
火の神まつり富士山噴火防止を祈念

鳥居
一の鳥居。大宮町第三消防組の奉献
境内
境内外観

富士山本宮浅間大社の門前・大宮町の北東、阿幸地(あこうじ)の産土神にして、地名由来になった古社。阿幸地は中世から江戸期にかけて浅間大社神領で、悪王子神社は同社の末社だった。祭神は火の神、火之御子神。

貞観5年(863)に富士山噴火防止を祈念して火の神を祀った、と伝えられ、社名の"悪"は「強い」「猛々しい」の意とされる。一方、"王子"は本宮筋が祀る神の「御子神」を指すことが多く、『駿河国新風土記』は『駿河国神名帳』に列する「浅間御子明神」に比定している。阿幸地と浅間大社の関わりをかんがみれば、可能性は高そうだ。

また火伏せというあたり修験のけはいが濃く、実際、修験の菊寶院が祭事を司っていた。江戸期、富士山の表口登山は、浅間大社を経て登山口の村山に至る道が正式ルートで、阿幸地はその道筋にある。悪王子神社は登山者が安全祈願した社と考えることができ、あるいは村山修験の息もかかっていたのかもしれない。

史料をみると、慶長4年(1599)9月の『横田村詮社領所付覚写』に浅間大社領として「高弐百拾石三斗五升者、阿幸地村」と載る。すでに阿幸地が立村、ひいては地名由来である悪王子神社の存在がうかがえる。

棟札に目を移すと、文化3年(1806)9月の再建棟札に「悪王子大明神社」とあり、祭主は菊寶院。下って嘉永3年(1850)2月、祭祀権が菊寶院から浅間大社社人・幸太夫前島氏に移り、同7年(1854)の再建棟札では「祭 前嶋数馬義親」となっている。また年不詳の棟札に「迦倶槌尊 富士浅間神社神官 幸太夫職 前島数馬藤原義親」と記載。江戸末期の祭神名は迦倶槌尊(火の神、火防の神)だったらしい。

神域は大月線の東阿幸地交差点から西へ100m、閑静な住宅地の一角にある。

一の鳥居である石鳥居が、2階建ての無骨な公会堂と倉庫に隠されるようにひっそりとたつ。大正6年9月建立と古く、奉献者は大宮町第三消防組。防火・火難除けの霊験が、界隈に浸透していたようだ。

鳥居をくぐって公会堂脇を歩くと、ほどなく玉垣に囲まれた境内。入口に火を思わせる赤鳥居がたち、その後ろに1対の大木がそそりたつ。太く、まっすぐ、力強く、住宅地によく残ったな、と感心。大木のさきは空の開けた明るい境内で、拝殿と本殿がゆったりとたつ。ごくシンプルな佇まいは、住宅地に違和感なく溶け込んでいた。

鳥居
一の鳥居と公会堂
参道
公会堂脇を歩く
鳥居
二の鳥居。昭和45年奉献
灯籠
寛政5年の石灯籠
手水
手水舎
境内
すっきりとした境内
境内
境内風景
拝殿
拝殿。瓦葺きの入母屋造り
拝殿
拝殿および本殿
本殿
本殿は流造り
蟇股
本殿蟇股

境内社および飛地境内社

石祠
本殿後ろの石祠

本殿後ろに小さな石祠が祀られ、ほかに飛地境内社として稲荷神社と山神社がある。『阿幸地区誌』によると、稲荷神社と山神社は宗教法人登記(昭和27年)のさい悪王子神社の飛地境内社になったという。

稲荷神社

阿幸地町581番地に鎮座。祭神は宇迦之御魂神、大宮能賣神、猿田彦神。旧社格は無格社。悪王子神社と同じく、嘉永3年(1848)に祭祀権が菊寶院(修験)から浅間大社神職・幸太夫前島氏に引き継がれた社で、浅間大社の元末社。明治中期の『皇國地誌』に「社地11間1尺×17間、面積6畝14歩」。昭和初期の『大宮町誌』『富士郡神社銘鑑第2輯』に「本殿1尺8寸×1尺4寸、雨覆1間×4尺、拝殿2間×2間半、境内194坪、崇敬者134名」と載る。

山神社

山神社は、そばに鎮座する2社のいずれかだと思われるが、どちらが該当するかは未確認。このさい2社とも紹介しておく。なお『大宮町誌』『富士郡神社銘鑑第2輯』には「字村中504 無格社山神社」が載っている。

富士宮市若の宮町550。主祭神:大山祇命。創祀年月不詳。こんもりとした社叢は、浅間様(木花咲耶姫命)が身を隠した「隠れ登りの森」。伝説いわく、浅間様は風神様に慕われた。けれど乱暴者の風神様を嫌い、浅間大社から山宮へ逃げる途中、一時ここに隠れたという。

富士宮市東阿幸地452。主祭神:大山祇命。創祀年月不詳、平成6年3月再建。児童用公園も兼ねた小さな社。鳥居2基のさきに祠2基が並ぶ。そのほか、境内に寛政2年(1790)と同4年の観音や題目塔がある。例祭は1月17日、阿幸地一・二町内会により行なわれている。

稲荷
稲荷神社
稲荷
稲荷神社
山神
山神社(若の宮町)
山神
山神社(若の宮町)
山神
山神社(東阿幸地)
山神
山神社(東阿幸地)
参考文献 境内掲示板、駿河記、駿河志料、皇國地誌、淺間神社の歴史、大宮町誌、富士郡神社銘鑑、さくはな、阿幸地区誌、日本歴史地名体系、角川日本地名大辞典、富士宮市の棟札集成

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