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犬山を巡る(2)

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11月4日(土)。曇り/晴れ。

尾張国の北辺、国宝犬山城を擁する犬山市を訪ねた。メインは犬山城&城下町観光だが、界隈の神社仏閣にも立ち寄ったので、一緒に記録しておく。

犬山城

天守

犬山城は、尾州と濃州の境をなす木曽川のほとり、標高88mのちっぽけな丘上に屹立する。別名、白帝城。天守は国宝である。国宝天守は松本、彦根、姫路、そして犬山の4城しかなく、うち犬山城は最古の天守とされる。

濃尾平野を一望

登城口の神社(針綱三光稲荷)をへて、本丸門をぬけると、狭い平地に天守が据えられていた。思ったよりも小さい。野面積みの低い石垣に、白い壁と黒い瓦の3層の建物がのっている。

小柄なせいか城郭特有の威圧感はないものの、総体的に堅牢でバランスがよく、姿もよい。福井の丸岡城に、大きさもかたちも似ているが、より洗練された印象で、明治期建立の学校に通ずるような、モダンな雰囲気も感ずる。

城内は、穴蔵2階、石垣上4階の計6階。太い柱や梁を縦横にめぐらし、屋根は低く、圧迫感がある。照明の類はなく、格子窓から斜めに差し込む陽がやさしい。

急な階段を上り、最上階にでた。「高欄の間」という。ここだけ赤いカーペットが敷かれ、上には城の主だった成瀬氏歴代の額が掲げられている。外側には欄干がめぐらされ、廻縁を1周できる。欄干が低く心もとないが、眺めはすばらしく、木曽川や濃尾平野、遠く尾張富士や本宮山も一望できた。

天守
 

天守を辞し、丘を下り、木曽川にかかるライン大橋から城域をみた。次いで木曽川対岸からも仰いでみる。湖のように広く、ゆったりとした木曽川のほとりに、一面蒼樹に覆われた急峻な小丘があり、空に最も近いところに、先ほどまでいた天守がある。見事な遠景で、なるほど要害であることが分かる。

ふしぎなもので、近くでは小さく感じた天守なのに、存在感がある。犬山城は、天守単体をみるより、遠くから、特に木曽川と城山を含めた方が美しく、もっとも大観といえる。

16世紀前葉に築城

犬山城は天文6年(1537)、木ノ下城主・織田信康によって築かれた。信康は、織田信長の叔父である。17世紀中ごろの『正事記』によれば、当初は約300m西南の三光寺山に築かれ、のち現在地に鎮座していた白山権現(針綱神社)を白山平へ遷し、その跡を本丸にした。昔の天守は2重だったが、小笠原吉次が城主時(慶長年間)、金山城の用材を使い、3重に立て直した、とある。

ただし、昭和34~40年の解体修理工事の結果、金山城移築を裏付ける痕跡は発見されなかった。こんにちは、下層部は織田信康が築き、上層部は小笠原吉次が増築、さらに江戸期になって成瀬氏が唐破風を増築したと見られている。

城主は、織田信康以降めまぐるしく変遷し、元和3年(1617)徳川譜代の成瀬正成が城主となり、以後成瀬氏が9代250年間世襲し、明治を迎えた。

明治初期、廃藩置県で廃城となり、櫓や城門など天守閣を除く建物は取り壊れたが、天守閣は区長や市民らの保存運動で守られ、県有公園となった。同24年の濃尾震災で天守が損傷、それを修理する条件で旧城主成瀬氏に譲渡。平成16年、財団法人犬山城白帝文庫に移管された。

【城名】犬山城(いぬやまじょう) 【所在地】愛知県犬山市犬山字北古券65-2 【備考】国宝 【料金】一般500円、小・中学生100円(犬山市文化史料館、からくり展示館込み)

本丸門
本丸門
天守閣
天守閣
天守閣
天守閣
内部
天守内部
階段
階段
本丸
本丸風景
犬山橋
木曽川とツインブリッジ犬山橋
伊木山
伊木山とライン大橋

犬山神社

境内風景
 

犬山城を辞し、次に向ったのは犬山神社。登城口の道向かいに鎮座している小さな社である。旧村社。成瀬正成以降の城主(成瀬氏9代)ならびに明治維新以後の戦没者を祀っており、社殿瓦には成瀬氏の家紋である「丸に酢漿草」があしらわれていた。

犬山神社の沿革

犬山神社の前身は、犬山城内にあった祖霊社とされる。

享保2年(1717)城主成瀬正幸(成瀬氏4代)が、祖霊社を東方の洞相生山に遷し、「相生の宮」と称した。下って明治16年、西御殿跡である現在地に相生の宮を遷し、犬山神社に改称。昭和23年11月、明治維新後の戦没者371柱を合祀した。

なお、ここにあった西御殿は、成瀬氏の前の城主(慶長12~17年)平岩主計頭親吉の屋敷を、寛文5年(1665)に移築した建物という。

尾張藩付家老、成瀬氏
丸に酢漿草
 

御祭神である成瀬氏は、徳川氏の譜代。成瀬正成が元和3年(1617)、尾張藩付家老として犬山城に封ぜられて以降、明治維新まで9代(正成、正虎、正親、正幸、正泰、正典、正寿、正住、正肥)が世襲した。知行は3万5千石。江戸期は陪臣扱いのため、藩として認められなかったが、石高はそこいらの小大名をしのぐ。

明治維新のおり犬山藩として独立し、成瀬氏は藩知事になった。しかし、ほどなく廃藩置県により犬山藩は犬山県となり、さらに名古屋県に統合。犬山城は廃され、成瀬氏の手を離れた。ところが犬山城は、明治24年濃尾大震災で損傷したため、同28年、修復を条件に成瀬氏へ譲渡。平成16年に財団法人へ移管されるまで、氏が個人で所有した。犬山神社の祭神として祀られているのは、正成から正肥までの9代。

なお、成瀬氏以前の犬山城主・城代は、天文6年(1537)織田信康にはじまり、織田信清、池田信輝、織田信房、中川定成、池田信輝、加藤泰景、武田清利、土方雄良、長尾吉房、三輪五郎右衛門、石川光吉、小笠原吉次、平岩親吉と変遷。慶長17年に平岩氏が死去後、6年の空白期を経て、成瀬氏が入城した。

【社名】犬山神社(いぬやまじんじゃ) 【所在地】愛知県犬山市犬山字北古券12 【主祭神】成瀬正成公以降の犬山城主、明治維新以後の戦没者 【社格】村社 【神紋】丸に酢漿草

鳥居
一の鳥居
社殿
社殿
社殿
社殿
本殿
本殿
忠魂碑
忠魂碑
熱田
境内社の熱田神宮

城下町

本町通り
 

犬山城犬山神社を拝観したあとは、昔の面影のこす城下町を散策。

まずは、犬山城の入城券で入館できる「犬山市文化史料館」「からくり展示館」へ。史料館は、成瀬氏ゆかりの文化財や、針綱神社例祭「犬山祭」の車山を展示。からくり展示館は、犬山祭のとき車山で上演される「からくり人形」などを展示している。どちらも犬山城、針綱神社に関わる資料だけに興味深く、ついつい長居。歴史好きにはたまらない。

なお、からくり展示館では、土・日・祝日にからくり人形の実演を行なっているものの、運わるく時間が合わず。まったく残念。からくり人形も、動かねばただの人形なわけで……(それも、ちょっと不気味な)。上映していたDVDで概要は掴めたものの、やはり生で見たかった。

その後、本町通を中心に、城下町を歩く。昔ながらの狭い道に、2階建て切妻造り平入りの町屋が軒をならべる。方々に明治期の建物があり、趣ある蔵もひとつやふたつではない。とても良い雰囲気。気ままに散策を楽しみ、和菓子屋や漬物屋、蜻蛉玉屋など、あちらこちらのお店におじゃまし、お土産を調達した。

からくり
からくり展示館
町並み
町並み
町屋
町屋は2階建ての切妻平入り
磯部家
旧磯部家住宅(登録有形文化財)
醸造
小島醸造
下駄
下駄
車山
車山庫
町並み
町並み
参考文献 公式パンフレット、観光パンフレット、掲示板、日本歴史地名体系、角川日本地名大辞典

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