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富士横道観音霊場

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富士横道観音霊場は、駿河国富士郡(現在の富士宮市・富士市)のローカル観音霊場として、江戸期に成立した。明治期に約4割が廃寺となり札所巡りは廃れたが、いまだ20か寺が現存している。

  1. 全国に広まった観音霊場巡礼
  2. 富士横道観音霊場
  3. 関連リンク・参考文献
全国に広まった観音霊場巡礼

観音菩薩は、仏教の菩薩の一尊。サンスクリット語で「アヴァローキテシュヴァラ」といい、「観察することの自在者」を意味する。対象相手に応じて33の姿に変身し衆生を救う菩薩、とされる(『観世音菩薩普門品第二十五』)。

大悟庵
十一面観音(大悟庵)

現世利益・来世救済の菩薩として古くから信仰され、しだいに霊験あらたかな観音霊場への参詣が行なわれるようになった。やがて各霊場を結ぶ巡礼が始まり、12世紀に近畿の有力霊場を巡る「西国三十三所観音霊場」が生まれ、13世紀に「坂東三十三所霊場」、15世紀には「秩父三十四所霊場」が成立した。「33」の数は、観音が33の姿に変身することに由来する。

霊場巡礼は当初、僧や修験者が行なったが、時代が下るにつれ武士階級へ広まり、江戸期には一般民衆にも浸透。信仰面はもちろん、旅行・観光という "娯楽"を兼ねたイベントとして大いに盛り上がった。

とはいえ、地方の人が西国や坂東、秩父の霊場を巡るのは、時間的にも金銭的にも難しい。そのため、各地域ごとに観音札所を設け、そこを巡礼するようになった。

静岡県では、旧分国(遠江、駿河、伊豆)ごとの「遠江三十三観音霊場」や「駿河三十三観音霊場」、駿河国と伊豆国にまたがる「駿河・伊豆横道観音霊場」などが成立。さらに「府辺三十三所観音霊場」や「御厨横道観音霊場」、「引佐三十三所観音霊場」など、郡単位の札所巡礼も生まれていった。

富士横道観音霊場

富士郡では「富士横道観音霊場」が成立した。

富士宮市矢立町の宗心寺に始まり、富士宮市、旧芝川町、富士市の各札所をめぐり、富士宮市星山の大悟庵で終わる全35所。成立時期は詳らかでないが、10番札所・山宮観音堂跡の石製観音像に「明和九辰歳 横道供養」と彫られているので、江戸中期には盛んに行なわれていた、と考えられている。

富士横道観音霊場札所は、明治初期に約4割が廃寺となり、霊場巡りも廃れてしまった。しかし、いまだ20か寺が現存し、さらに跡地の残る札所もいくつかある。この項では、それら寺院・跡地を訪ね、札所順にまとめた。

寺名 所在地 宗派 備考
十念山宗心寺 富士宮市矢立町168 浄土宗
富士山重林寺 富士宮市大岩418-1 曹洞宗
二桂院 富士宮市中央町 曹洞宗 廃寺
東盛院 富士宮市大中里 曹洞宗 廃寺
不死山岳松寺 富士宮市光町11-25 曹洞宗
東光寺 富士宮市羽鮒 日蓮宗か 廃寺
恵日山千光寺 富士宮市精進川2830 曹洞宗
大乗院 富士宮市内野 修験道 廃寺
穴王山清岩寺 富士宮市人穴 曹洞宗 廃寺
10 山宮観音堂 富士宮市山宮851-1 不明 廃寺
11 紫雲山来迎寺 富士宮市村山438 浄土宗
12 しけん寺 富士宮市大岩 日蓮宗か 廃寺
13 瑞雲山大聖寺 富士宮市小泉 黄檗宗 廃寺
14 福壽山直至院 富士宮市小泉2206 浄土宗
15 久日山清流寺 富士市天間742(川坂観音堂) 日蓮宗 廃寺
16 大富山松岳寺 富士市入山瀬408 曹洞宗
17 保昌寺 富士市伝法 曹洞宗 廃寺
18 神龍山慈照寺 富士市今泉 臨済宗 廃寺
19 富士山善得寺 富士市今泉 臨済宗 廃寺
20 大富山永明寺 富士市原田1167 曹洞宗
21 藤澤山妙善寺 富士市原田1344 臨済宗
22 圓通山福聚院 富士市増川599 曹洞宗
23 芙蓉山立安寺 富士市中央町2-4-31 曹洞宗
24 不二山金正寺 富士市平垣本町10-4-7 曹洞宗
25 照東山蓮盛寺 富士市柚木62 日蓮宗
26 米宮山法源寺 富士市本本市場193 浄土宗
27 米宮山延命寺 富士市本市場144 曹洞宗
28 福寿山瑞林寺 富士市松岡489 黄檗宗
29 じげん寺 不明(富士市松本か) 不明 廃寺
30 海嶋山福泉寺 富士市柳島41 曹洞宗
31 柳島山養雲寺 富士市柳島22-1 曹洞宗
32 光明寺 富士市宮下 曹洞宗 廃寺
33 国城山大法寺 富士市五貫島 曹洞宗 廃寺
34 松岡山永光寺 富士市松岡2409-1 曹洞宗
35 明星山大悟庵 富士宮市星山9 曹洞宗

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1番 十念山宗心寺

この寺の 仏の御影 朝ことに 富士の高嶺に 仰ぐ尊さ

宗心寺のエントリーへ

大宮大頂寺の元住僧・信誉が富士山で修行し、寛永3年(1626)「富士山宗心寺」を開創、のち山号を十念山へ改めた。はじめ大頂寺末、延宝7年(1679)から知恩院直末。境内に観音堂がある。◆所在地/静岡県富士宮市矢立町168。宗派/浄土宗。本尊/阿弥陀如来。

2番 富士山重林寺

朝夕に 頼む仏の 道すぐに 迷わでここに 大宮の里

重林寺のエントリーへ

永禄2年(1559)開創。昭和49年、市中心部の元城町から現在地へ移転した。江戸後期の『駿河記』に「富峰山重林寺」と載り、『駿河志料』によれば除地5反7畝5歩。境内に秋葉三尺坊大権現。◆所在地/静岡県富士宮市大岩418-1。宗派/曹洞宗。本尊/釈迦牟尼仏。

3番 二桂院

二本の 桂の光り 差しそいて 後の闇路を 照らす月影

二桂院

16世紀、青見先照寺7世天雪宝重が大宮町仲宿(中央町)に開創。江戸期は除地3反1畝歩を所有。明治3年、重林寺と合併し廃寺。寺の横を流れた「二桂堀」に名残(今は暗渠になっている)。◆所在地/静岡県富士宮市中央町。宗派/曹洞宗。備考/明治3年廃寺。

 
4番 東盛院

見下ろせば 裾廻のたいに 飛ぶ蛍 これも仏の 光りなるらん

東盛院

16世紀半ば、青見先照寺10世雲庵源誉が隠居寺として開いた、と伝わるものの詳細不詳。江戸後期の諸地誌に載る「上中里 東泉院 曹洞宗 青見先照寺末」が該当寺か。東泉院は明治初期に廃された。◆所在地/静岡県富士宮市大中里。宗派/曹洞宗。備考/廃寺。

 
5番 不死山岳松寺

立ち迷う 霧の絶え間を 見渡せば 誓いの船の 浮かぶ富士川

岳松寺のエントリーへ

永禄2年(1559)、沼久保で開創(『にのみや』)。岩本永源寺末だったが、本寺から遠く不便だったため、延享元年(1744)星山大悟庵末となり、翌年堂宇を再建。大正年間、現在地へ移転。◆所在地/静岡県富士宮市光町11-25。宗派/曹洞宗。本尊/地蔵菩薩。

6番 東光寺

久方の 月のうてなの 山高く 仰ぐ御法の 道ぞ遥けき

東光寺

詳細不詳。ただし、羽鮒には観音を尊像とした「先精山東光寺」があった。この寺は治承4年(1180)平維盛が富士川の合戦時に建立したとされ、『駿河国新風土記』も「観音堂」と所載。明治中期、寺号を名古屋に移した。◆所在地/静岡県富士宮市羽鮒。宗派/日蓮宗か。

 
7番 恵日山千光寺

汲みて知る 流れも清き 精進川 水上深き 法の心を

千光寺のエントリーへ

青見先照寺末。先照寺縁起によれば、応永年間(1394~1428)先照寺2世天外清輪が開創。本尊は、最澄が唐から持ち帰り比叡山に安置したものを、平維盛がこの地にもたらしたと伝わる。◆所在地/静岡県富士宮市精進川2830。宗派/曹洞宗。本尊/千手千眼観音。

8番 大乗院

ほほろうつ 野辺の雉子も 声立てて 仏の御名を 呼ぶとこそ聞く

大乗院

大乗院は三寶院末の修験で、札所の如意輪観音堂および地内にあった大神宮の別当だった。観音堂本尊は、富士の巻狩のさい、白糸の滝つぼより出現したと伝わる(『駿河記』)。大神宮は内野神社に合祀された。◆所在地/静岡県富士宮市内野。宗派/修験。備考/廃寺。

 
9番 穴王山清岩寺

白雲の 幾重の山路 踏み分けて なお奥深き 跡を尋ねん

清岩寺

17世紀、青見先照寺17世了山見達が隠居寺として開創。享保9年(1724)まで3代続き、以後も仮住まいとして存続したが、明治初期に廃された。檀家は先照寺を経て、明治19年に内野法蔵院へ移籍。◆所在地/静岡県富士宮市人穴。宗派/曹洞宗。備考/廃寺。

 
10番 山宮観音堂

頼めただ 枯れたる木にも 咲く花の 春になどかは あわで果つべき

山宮観音堂

詳細不詳。観音堂跡と伝わる場所は宅地となり、人家のかたわらに江戸期建立の石仏5体が丁重に祀られている。石仏は観音4体と青面金剛1体で、うち観音1体に「横道供養」と刻まれているという。◆所在地/静岡県富士宮市山宮851-1。宗派/不詳。備考/廃寺。

 
11番 紫雲山来迎寺

山人の 斧の響きと 迎え来る 雲路に澄める 糸竹の声

来迎寺

江戸後期『駿河記』の木伐山項に「来迎寺 浄土宗 京智恩院末 大宮成道寺扣」と載り、『旧富士根村沿革誌』は「大宮平等寺末」と所載。大正年間、後継者不在のため廃され、檀家・墓は平等寺に移ったものの、近年再建された。◆所在地/静岡県富士宮市村山438。宗派/浄土宗。

 
12番 しけん寺

天つ袖 撫づとも尽きじ 大岩の 堅き誓いの あらん限りは

しけん寺

縁起不詳。江戸後期の地誌『駿河記』『駿河国新風土記』『駿河志料』などに記載がないことから、18世紀初頭には廃寺となったのかもしれない。滝沢川に架かる「じげんばし」に名残をとどめ、寺跡は橋の下流東岸とされる。◆所在地/静岡県富士宮市大岩。備考/廃寺。

 
13番 瑞雲山大聖寺

若宮に 住む甲斐もなく 若神の 富士の御幸も 風やそむらん

大聖寺

江戸後期の地誌『駿河記』『駿河志料』は、「下小泉 大昌寺 黄檗宗 松岡瑞林寺末」と所載。除地1反6畝27歩。明治6年、廃仏毀釈のため廃された。若宮に「瑞雲山大聖禅寺」と刻まれた観音碑がある。◆所在地/静岡県富士宮市小泉。宗派/黄檗宗。備考/明治6年廃寺。

 
14番 福壽山直至院誓運寺

説く法を 聞けばわが身も 若宮の 老いを忘るる 心地こそすれ

直至院

建久4年(1193)富士の巻狩時、源頼朝より福壽院の号を与えられたと伝わる。17世紀半ば、武州の浄運法師が、江戸大火で焼死した娘・誓運大姉の菩提を弔うべく再興し、僧直至を迎えた。◆所在地/静岡県富士宮市小泉2206。宗派/浄土宗。本尊/阿弥陀如来。

 
15番 久日山清流寺(川坂観音堂)

天満の 神の守りも 御仏の 法にはもれぬ 道ぞ賢き

清流寺

清流寺(北山本門寺末)は明治初期に廃され、観音堂のみ残る。尊像は永禄2年(1559)、小泉村の喜六が潤井川で漁をしたとき網にかかった、あるいは池から出てきたといい、手を欠くことから俗に手無観音。◆所在地/静岡県富士市天間742。宗派/日蓮宗。備考/廃寺。

 
16番 大富山松岳寺

説く法を 聞けばわが身も 若宮の 老いを忘るる 心地こそすれ

松岳寺

伝承によれば、弘仁10年(819)に真言宗・大弘山平坊寺として開創。下って文亀3年(1503)、青見先照寺4世梅巌祖春が荒廃していた寺を再建し、曹洞宗へ改めた。江戸期は除地2石8斗。◆所在地/静岡県富士市入山瀬408。宗派/曹洞宗。本尊/観世音菩薩。

 
17番 保昌寺

苦しみの 海に沈みし 竜姫も この御法には 浮かむとおしれ

保昌寺

伝法保寿寺末で、『延享度曹洞宗寺院本末牒』は「平僧寺 除地2反6畝歩 駿河國富士郡伝法村 保昌寺」と所載。江戸後期『駿河記』は「法昌寺」、『駿河志料』は「保唱寺」と載せる。※保寿寺をあてる説も。◆所在地/静岡県富士市伝法。宗派/曹洞宗。備考/廃寺。

 
18番 神龍山慈照寺

頼もしな 誰呼ぶ坂の 山人も 呼べばこたうる たとえなるらん

慈照寺

今泉十王子神社の東側にあった。幕末の『駿河志料』に「神龍山慈照寺 臨済宗、京妙心寺末、境内除地 開山見道和尚 寂年月未詳」と所載。明治初年、今泉法雲寺の兼帯となり、のち廃された。◆所在地/静岡県富士市今泉寺市場。宗派/臨済宗妙心寺派。備考/廃寺。

 
19番 富士山善得寺

草木だに もれぬ御法と 聞くときは 愚かなる身も 頼もしきかな

善得寺

駿甲相三国同盟の締結地。貞治2年(1363)須津庄で開創し、応安3年(1370)瀬古、翌年寺市場に移転。今川氏の庇護を受け、義元のころ全盛を迎えたが、武田氏の兵火で焼失。明治期、法雲寺が合併。◆所在地/静岡県富士市今泉。宗派/臨済宗。備考/廃寺。

 
20番 大富山永明寺

落つ滝つ 鎧が淵の 波の音 深き眠りの 夢は覚めにき

永明寺のエントリーへ

市屈指の禅刹。天平勝宝8年(756)行基が開創、文明4年(1472)洞家へ改めたという。盛時は末寺64寺を数え、洞慶院派300余寺の門頭職を務めた。今川、武田、豊臣、徳川各氏の朱印状所蔵。◆所在地/静岡県富士市原田1167。宗派/曹洞宗。本尊/聖観音。

21番 藤澤山妙善寺

定めなき 倒しもかくや 滝川の 結ぶ間もなく 消ゆる泡沫

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寺伝によれば、天平勝宝元年(749)行基が全国各地に建立した81の観音堂のひとつ。正保2年(1645)、峰得が荒廃した堂宇を再建し、妙善寺と称した。観音堂の十一面千手観音は市文。◆所在地/静岡県富士市原田1344。宗派/臨済宗妙心寺派。本尊/釈迦如来。

22番 圓通山福聚院

あいに逢う 契りも嬉し 増川の 御法の波に もれぬわが身は

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奈良期に行基が開いたと伝え、本尊も行基作とする。元禄12年(1699)永明寺14世覚誉長円が再建、曹洞宗に改めた。江戸期は境内20間半×15間、除地7石8斗7升4合。「増川の井」があった。◆所在地/静岡県富士市増川599。宗派/曹洞宗。本尊/準提観音。

23番 芙蓉山立安寺

仮の世は とても徒なる はかり無き 命の国へ 早も生まれん

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寛永2年(1625)保泉寺2世吟守が江戸の材木商とともに芙蓉山龍安寺として開創。のち宿の所替に伴い現在地へ移転。江戸期は除地3反7畝。保泉寺の隠居寺的な位置付けだったようす。◆所在地/静岡県富士市中央町2-4-31。宗派/曹洞宗。本尊/準提観世音。

 
24番 不二山金正寺

遂にゆく 悟りの門を 尋ねれば 月の入るさの 山の端の月

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戦国時代の元亀~天正期ごろ開かれた真言宗金正院が前身。一時廃寺然となっていたが、宝暦13年(1763)地頭日向大和守、松永安兵衛が中興し、僧本戒を迎えて再建。曹洞宗へ改めた。◆所在地/静岡県富士市平垣町10-4-7。宗派/曹洞宗。本尊/釈迦牟尼仏。

25番 照東山蓮盛寺

法の道 かけじぞ頼む 彼の国の 宝の池の 蓮のうてな

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日蓮の岩本実相寺入山に付き従った少年給仕が、のちに外木盛直の助力によって「東照山寂蓮寺」を開創したという。16世紀、外木盛定が「蓮盛寺」として再興し、江戸期に山号を照東山へ改めた。◆所在地/静岡県富士市柚木62。宗派/日蓮宗。本尊/一塔両尊四士。

 
26番 米宮山大久院法源寺

笹の葉の それにたばしる 玉あられ いつかは露と 消えて果つべき

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応永元年(1394)鎌倉光明寺8世の長蓮社観誉祐崇が開創したと伝える。無住時代をへて天正年間(1573~91)、当地に移住した武田家臣の高田長門守2代目六兵衛が現在地に移転再建。◆所在地/静岡県富士市本市場193。宗派/浄土宗。本尊/阿弥陀如来。

27番 米宮山延命寺

末の露 元の雫と 消ゆる日を 知らで過ぎ行く 山の端の月

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元は米之宮浅間神社の神護寺とされ、本尊は同社の延命地蔵を勧請したと伝わる。開創は寛永19年(1642)とされるが、過去帳の始まった永禄3年(1560)には前身が存在した、と推定される。◆所在地/静岡県富士市本市場144。宗派/曹洞宗。本尊/延命地蔵菩薩。

28番 福寿山瑞林寺

来ぬ人を まつおか野辺に 枝折して 導く法の 道ぞかしこき

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天正年間の富士川洪水で流失した寺を、古郡重政が正保2年(1645)に再興し天岳寺と号した。延宝2年(1674)荒廃した天岳寺を古郡重年が再建、鉄牛を招いて瑞林寺に改めた。本尊は国重文。◆所在地/静岡県富士市松岡489。宗派/黄檗宗。本尊/地蔵菩薩。

29番 じげん寺

露霜に 終に葉替えぬ 松本の 寺の御法ぞ 真なりけり

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詳細不詳。御詠歌に「まつもと」とあるので、富士市松本にあったと思われるが、記録一切なし。加えて『駿河記』は「松本加島 寺社無」と記す。なお吉原に臨済宗・白華山慈眼寺(廃寺)があり、千手観音を本尊としていた。◆所在地/不詳(静岡県富士市)。宗派/不詳。備考/廃寺。

 
30番 海嶋山福泉寺

有為の波 絶えずたゆとう 海人小舟 無為の湊に いつか至らん

福泉寺

寺伝は弘仁12年(821)空海が開創、天正2年(1574)横割成安寺2世が改宗。『寺院調』は真言僧源空が開創、慶長11年(1606)改宗とする。元は中丸にあったが、津波被害を避けて現在地へ移転。◆所在地/静岡県富士市柳島41。宗派/曹洞宗。本尊/釈迦如来。

 
31番 柳島山養雲寺

御仏の 影をぞ頼む 柳島 縁の糸の 永き世までも

養雲寺

柳島の富豪・深瀬源左衛門が文禄3年(1594)に建立した「養雲庵」を起源とし、寛永年間(1624~44)ごろ寺へ改めた。のち本山・横割成安寺5世を開祖に現山寺号へ改め、明治38年法地開闢。◆所在地/静岡県富士市柳島22-1。宗派/曹洞宗。本尊/阿弥陀如来。

 
32番 光明寺

遠くとも 道は迷わじ 道芝の 露の光の 明らけきには

光明寺

江戸後期の『駿河記』に「光明寺 洞家 柳島福泉寺末」と載る。富士川の洪水で流失したと伝えられ、復興することなく本寺・福泉寺と合併。跡地に墓が残っていたが、第二次大戦中、飛行場建設に伴いなくなった。◆所在地/静岡県富士市宮下。宗派/曹洞宗。備考/廃寺。

 
33番 国城山大法寺

迷いぬる 浮世の夢も さめじまの 浦は遥かに 照らす月影

大法寺

慶長15年(1610)開山。本寺は成安寺、中興開基は洞益首座。除地1石7斗1升6合を有した。富士川の洪水で流失、無住のため明治4年に廃寺。本尊は空海作と伝えられる聖観音だった。◆所在地/静岡県富士市五貫島。宗派/曹洞宗。本尊/聖観音。備考/廃寺。

 
34番 松岡山永光寺

岩本の 岩根涼しき 阿伽の水 汲みて仏の 縁うつらじ

永光寺

古くは四ツ家にあり真言宗に属したが、明応年間(1492~1500)洪水で流失。文亀2年(1502)に再興&改宗し、元禄7年(1694)に移転。明治初期、岩松小学校前身「巌松舎」が設立された。◆所在地/静岡県富士市松岡2409。宗派/曹洞宗。本尊/観世音菩薩。

 
35番  明星山大悟庵

天下る 星の光や よく経ても 消えぬ御法の ためしなるらん

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はじめ「明星山福興寺」と称したが、兵火にかかり退廃。元亀2年(1571)、甲斐国深向院3世了月が武田家臣・跡部大炊助に請われ、福興寺跡に伽藍を再建。寺号を大悟庵に改めたと伝える。◆所在地/静岡県富士宮市星山9。宗派/曹洞宗。本尊/十一面観音菩薩。

番外

三十余の みつの御寺を 巡りきて ここにぞ納む 法の心を

参考文献 郷土資料館展示『富士横道観音霊場を巡る』、月の輪、各寺境内石碑・掲示板、駿河記、修訂駿河国新風土記、駿河志料、皇國地誌、富士郡村誌、大宮町誌、上野村誌、白糸村誌、旧富士根村沿革誌、鷹岡村史、郡誌編集資料原田村、原田村沿革誌、須津村誌、富士郡吉原町・島田村組合沿革誌、富士郡田子浦・加島・岩松村誌、加島村誌、岩松村地史、岩松村誌、静岡縣安倍郡誌、麻機誌、さくはな、木乃花区史、大岩三区区誌、にのみや、沼久保区誌、白糸をめぐる郷土研究、星山の伝説と歴史、鷹岡町史、入山瀬西の今昔、郷土誌須津、鈴川の歴史、東海道吉原宿、かじまの春秋、田子浦の郷土誌、静岡市史、富士宮市の伝統建築、富士宮市の棟札集成、なつかしの地名をたずねて、季刊わがまち、富士市のまつり、曹洞宗大安山法蔵院縁起、久住山洞慶院史、大富山永明禅寺史、福壽山瑞林寺-瑞林寺伽藍現況調査報告書-、富士川と通船の歴史、文化財めぐり、歩く史跡めぐり、郷土資料辞典、浅間神社の歴史、修験道辞典、日本の仏、日本歴史地名体系、万里集九、梅花無尽蔵注釈、戦国大名家臣団事典東国編、鎌倉・室町人名事典、静岡県宗教法人名簿、駿河の大地主 松永家の百年、富士山南西麓編 史跡・史話、駿河三十三所観音巡り、全国寺院名鑑、日本名刹大事典、静岡県仏教会名鑑、富士郡神社銘鑑、富士市の寺院、富士市の仏教寺院、日蓮宗寺院大鑑、寺院調
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