日興
日興
寛元4年(1246)3月8日-元弘3年(1333)2月7日
鎌倉中期~後期の日蓮宗の僧。日蓮の最高弟六老僧のひとり。伯耆房、白蓮阿闍梨と称した。甲斐国鰍沢の生まれ。富士門流(日興門流)の派祖であり、大石寺や重須本門寺を開いた。
幼少のころ、母の実家に近い天台宗四十九院(駿河国)の供僧となり、四十九院および関わりの深い岩本実相寺で修学した(四十九院は実相寺末か別院だったと考えられている)。やがて実相寺に入寺した日蓮に師事。駿河や甲斐、伊豆を拠点に布教し、日蓮の最高弟六老僧に名を連ねた。
日蓮没後、日興は身延山久遠寺で祖廟の守護にあたった。しかし、地頭波木井実長らと教義上の確執が生じたため、正応元年(1288)12月に離山。翌年、駿河国上野の地頭南条時光に迎えられ、正応3年(1290)大石寺を、永仁6年(1298)重須本門寺を建立し、後進育成にあたった。元弘3年(1333)2月7日没。88歳。「本六」「新六」と呼ばれる計12人の高弟がいた。