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大井町 大井神社

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名称
大井神社おおいじんじゃ
所在
静岡県島田市大井町2316
主神
彌都波能売神 波邇夜須比売神 天照大神
創建
不詳
例祭
10月15日(大祭:寅・巳・申・亥年10月13~15日)
敷地
4,750坪
神紋
丸に千木
社格
旧県社 別表神社
備考
鹿島踊り 大名行列(県民俗)
神徳
大井川鎮護・火難除け・安産ほか
交通
JR島田駅より徒歩5分 駐車場有

大井川の水神まつる島田の産土神
3年に1度、島田大祭「帯まつり」

大井川
飛地境内社の鎮水神社からのぞむ大井川

駿遠両国の境をなした大河、大井川。架橋・渡船が禁じられた江戸期、この川を渡るには川越人足に頼るほかなく、「越すに越されぬ」と詠われた東海道一の難所だった。両岸には川越宿として島田、金谷宿が発達。その産土として敬われたのが、大井神社である。

大井神社は、水害と恵みをもたらす大井川を神格化し、その水神を祀ったことに始まる自然信仰の社。創祀不詳だが、『三代実録』の貞観7年(865)条に「大井神従五位下」と載る国史見在社である。

もとは上流域の川根本町に鎮座していた。それが鎌倉期の氾濫で流され、漂着した島田宿下島(御仮屋)で祀られるようになったという。江戸初期に2度の遷座を経て、元禄2年(1689)に現在地へ定まった。

平安以降は次第に衰微したらしく、江戸期の社領はわずかな除地のみ。しかし、島田宿の産土神として町人が敬愛。さらに川越安全を祈る人足や旅人、参勤の諸大名から飛脚にいたるまで、大井川に関わる人々から川の鎮護神として崇敬された。

社叢
境内は豊かな緑に包まれている

JR島田駅から徒歩5分。広い神域は豊かな森に抱かれ、街中とは思えない落ちついた雰囲気。社叢は県の「ふるさとの森百選」に選ばれている。

境内には社号標や太鼓橋、大名寄進の灯籠など、江戸期奉献の石造物が点在。寄せられた祈りの強さを感じさせる。中でも特異なのが、参道を縁どる石垣。川越人足たちが家業安全を祈り、終業後に河原から石をひとつずつ運び、それを蓄積して築いたもの。

社殿はさほど古くないが、いずれも落ち着いた風合いの木造建築で、古社の趣がある。本殿は文久3年(1863)再建の三間社流造り。立川流・立川昌敬の彫刻が細部を飾る。拝殿は大正8年、明治神宮造営用材の下賜を得て造営された入母屋造り。

例祭は10月15日で、3年ごと(寅・巳・申・亥年)に大祭が催される。

大祭は、元禄8年(1695)に始まった旧社地への神輿渡御を起源とする伝統祭事。神輿渡御に、大名行列、鹿島踊り、屋台などが連なり、華やかな元禄絵巻をくり広げる。大名行列の大奴が、木太刀に絢爛な丸帯をたらして練り歩くことから「帯まつり」とも称され、日本三奇祭のひとつとして広く知られる。

かつてよそから島田へ嫁いだ花嫁は、晴れ着姿で大井神社に詣で安産祈願したのち、町内にお披露目した。しかし宿の戸数増加により、お披露目はしだいに困難となったため、代わりに帯を大井神社へ奉納。大祭時、その帯を神輿の警護役である大奴の大太刀に垂らし、町内へ披露するようになった――とされる。

鳥居
平成20年に立て直した鳥居
南参道
東海道からつづく南参道
灯籠
飛脚が安政3年に奉献
灯籠
寛文3年奉献の灯籠
石垣
川越人足が築いた石垣
太鼓
正徳3年の太鼓橋と安政3年の平橋
常夜灯
再建された常夜灯
神苑
神苑
大奴
大奴のブロンズ像
表参道
まっすぐ伸びる表参道
表参道
表参道。途中、南参道と接続
灯籠
元禄16年(1703)奉献
社号標
元禄2年遷座時の社号標
灯籠
釣り灯籠
境内風景
境内風景。奥に拝殿
社務所
社務所
拝殿
大正8年再建の総桧造拝殿
狛犬
拝殿前のブロンズ狛犬
本殿
文久3年再建の三間社流造り本殿
本殿
彫刻は立川流の立川昌敬作
境内
境内風景
かんさあ
田のかんさあ

境内社・飛地境内社

神使
天満宮の神使

境内社は春日神社、大井天満宮、大井恵比寿神社、祓戸神社、静霊神社の5社。飛地境内社は鎮水神社、御陣屋稲荷神社の2社。

さかのぼると、江戸後期の地誌『駿河記』は「摂社 春日社 天王社 荒神社」、『駿國雑志』は「摂社 春日社 天王社 荒神社 稲荷神社 天王社 七面社」、『駿河志料』は「末社 春日、天王、荒神、水神、稲荷、天王、仮屋、七面堂、庚申堂」と所載。明治後期の『明治神社誌料』、『日本社寺大觀神社篇』には「境内神社 春日神社 須賀神社 竈神社 新年神社」とみえる。

【境内社】◆春日神社=祭神:春日四柱神ほか。例祭6月5日。『静岡縣神社志』によると、永禄元年(1558)創祀、元和元年(1615)に春日神社と奉称。あるいは延宝年間(1673~81)、この地に疫病が流行したため、疫病退散を祈って春日神社を勧請。◆大井天満宮=祭神:菅原道真公。例祭:10月25日。北野天満宮から勧請。◆大井恵比寿神社=祭神:大国主神・事代主神。例祭:11月19・20日。出雲大社から大国主神、西宮神社から事代主神を勧請。◆静霊神社=島田市出身の英霊1,900余柱。例祭:4月15日。◆祓戸神社=祭神:祓戸四柱神。例祭:5月5日。神前に供える清水を汲んだ神井戸の上に建立。

【飛地境内社】◆鎮水神社=祭神:瀬織津姫神。例祭:4月3日。旧無格社。大井川左岸、大井川をのぞむ小高い丘に木造社殿。『駿河記』に「水神社 在向谷山」、『駿河志料』に「水神 向谷にあり」とある。◆御陣屋稲荷神社=宇賀魂神。例祭:3月初午前の日曜日。覆屋内に社殿2基、ほか大黒天と秋葉神社をまつる。元和3年(1617)、代官長谷川藤兵衛長親が、五穀豊穣と地域住民安泰を祈願し屋敷内に建立。『駿河記』に「稲荷祠 在縣令官舎之中其他」と見える。

春日
春日神社と大井天満宮
恵比寿
大井恵比寿神社
静霊
静霊神社
祓戸
祓戸神社
鎮水
鎮水神社
稲荷
御陣屋稲荷神社

由来端緒

大井川と大井神社

大井神社は、大井川流域に点在している地域信仰の社。水害と恵みをもたらす大井川を神格化して祀ったことに始まると考えられ、上流域を起源に、近世の新田開発に伴い下流域まで広がった。『大井川-その風土と文化-』『日本の神々神社と聖地』などによれば、江戸~大正期の諸地誌に載る大井系の神社は75社にのぼり、いまも40余社が祀られている。


島田市大井町鎮座の大井神社は、創祀不詳。ただ、『日本三代実録』の貞観7年(865)12月21日条に「授駿河國正六位上大井神従五位下」と所載された国史見在社で、『駿河国神名帳』には「正五位下大井天神」とみえる。

現在の祭神は、彌都波能賣神・波邇夜須比賣神・天照大神の3女神。さかのぼると、享保16年(1731)7月の『大井神社書上覚』に「水徳ノ神 罔象女命」と見え、19世紀編纂の『駿河記』『駿河志料』『駿國雑志』では罔象女命(=彌都波能賣神)・姫大神(=天照大神)・埴安姫命(=波邇夜須比賣神)と載っている。

もとは上流の谷畑大沢(川根本町)に鎮座していたが、建治2年(1276)8月の洪水で流され、漂着した島田宿下島で祀られるようになった、と伝えられる。そのため大祭では、大沢地区の代表参列が古例となっている。

下って慶長9年(1604)大井川の洪水で被災、一時、野田山字御手水谷に遷され、元和元年(1615)に下島へ復し、元禄2年(1689)9月に現在地へ遷座した。以後、下島は「御仮屋」、旧境内は「御旅所」と称されている。元禄8年を起源とする3年に1度の島田大祭(帯祭)では、旧境内である御旅所への神輿渡御が行われる。

宝永5年(1708)7月2日、神祇管領より「正一位大井大明神」の宗源宣旨を受け、嘉永7年(1854)7月15日に孝明天皇より正一位の勅宣を賜わり、社号を「大井大明神」から「勅宣正一位大井神社」に改称。文久3年(1863)には有栖川幟仁親王より御染筆を賜わった。

明治8年に郷社に列し、同41年に県社へ昇格。昭和41年に神社本庁別表神社となった。

参考文献 境内掲示板、公式リーフレット、島田大祭パンフレット、東海道名所図会、駿河記、駿河志料、駿國雑志、明治神社誌料、静岡県志太郡誌、静岡縣神社志、静岡縣神社要覧、日本社寺大觀神社篇、島田市史、全国神社名鑑、大井川-その風土と文化-、日本の神々 神社と聖地10、角川日本地名大辞典、日本歴史地名体系、東海道と祭り、祭礼行事・静岡県、静岡県の祭ごよみ、静岡県の民俗芸能と伝統音楽

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