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富士宮秋まつり

競り合い
〈湧玉羽衣×湧玉宮本の競り合い=4日18時〉

富士山本宮浅間大社および市街地の目抜き通りで3日から5日までの3日間、「富士宮秋まつり」が開催された。目抜き通りでは終日、周辺20区がにぎやかな祭囃子を響かせながら、山車・屋台の引き回しや競り合いを繰り広げた。

富士宮囃子ひびかせ、勇壮に競り合う山車・屋台

富士山を神体山と崇める富士信仰の拠点、富士山本宮浅間大社。同社の例祭に合わせて催される秋まつりは、氏子が秋の実りと一年の無事を感謝するもので、富士宮市最大のまつり。毎年期間中、境内に露店が立ち並び、市街地は市内外から訪れたおおくの観光客で賑わいをみせる。

初日は、祭典に関わる各区の人々が催事前に安全祈願する「宮参り」、祭典の無事を祈念する「例祭前日祭」を行った。参加20区を前後2組にわけた宮参りでは、氏子が拝殿前を埋め、神職から御幣を授けられた後に富士宮囃子(県民俗)を奉納。その後、各区は会所に戻って出陣式ののち市中へくりだし、笛・太鼓・鉦が奏でる子気味良い囃子を響かせながら山車・屋台を引き廻した。

明けて4日、午前10時から本殿で「例祭本祭」を斎行。祝詞奏上やお祓い、玉ぐし奉てんのほか、氏子の乙女による浦安の舞が奉奏された。午後4時からはハイライトの共同催事。20台の山車・屋台が大社前につどって囃す「一斉囃子」や、歩行者道路となった目抜き通りで「競り合い」を繰り広げた。「喧嘩ばやし」とも呼ばれる競り合いは、山車・屋台をぎりぎりまで接近させ、互いの目前で演奏しあう激しいもの。勇壮なさまに、ギャラリーから大きな拍手が送られた。(→09年版

平安期に都良香が記した『富士山記』に「貞観十七年十一月五日吏民仍舊致祭(875年11月初申の日に、旧にならって吏・民が祭りを行った)」とある。これが浅間大社の祭礼かどうかは明記されていないものの、吏(役人)が携わっていることから可能性は高いと考えられている。

浅間大社の例祭は、明治初頭まで4月・11月の「初申日」に行われてきた。これは神体山である富士山が庚申の年にあたる考安天皇92年に出現したという故事に因むという。明治7年の改暦以降、例祭日が11月4日に定められたのも、同年11月の初申が4日だったことによる。

町方衆の動向に関しては、天保3年(1832)銘のある咲花の御通が残るほか、江戸期に造酒屋「桝彌」の当主が記した『袖日記』の万延元年(1860)6月及び7月条に「家臺(屋台)を引出す」、文久2年(1862)9月条に「ダシ(山車)」とみえ、このころには山車・屋台のひきまわしが行われていたと考えられている。

江戸後期から明治初期の祭り組は少なく、神田川以西は「湧玉」、以東は「磐穂」「咲花」といった。これは川を境に西は浅間大社領、東は韮山代官直轄の天領だったことに起因している。祭り組が細分化した現在は、組名の上に親名を冠し「湧玉○○」「磐穂○○」のように呼ばれている。

明治以降、産業勃興にともなって祭りの規模は拡大。青年団結成や行政区細分化により、参加する山車・屋台数も増えて隆盛した。その後、昭和30年代後半から競り合いの自粛や交通事情などによって低迷したものの、50年代から復興がすすみ、現在は周辺21区(日の出区は休止中)が実施している。

宮参り 宮参り
宮参りして安全祈願=3日午前
囃子 前日祭
富士宮囃子を奉納=3日午前 例祭前日祭=3日午前
浦安
氏子の乙女による浦安の舞=3日12時
本祭 本祭
例祭本祭。右は昇殿する神職=4日10時
浦安
共同催事。大社前に20台の山車・屋台がそろい一斉囃子=4日16時

富士宮囃子

山車・屋台のひきまわしに華をそえるお囃子。富士宮秋まつりで奏でられる「富士宮囃子」は、昭和41年に富士宮市、平成7年に静岡県から無形民俗文化財に指定された。起源は諸説あるが、有力なのは沼津市根古屋伝来説。「明治後期、青年が囃子を習いにいった」「秋まつりに根古屋から囃子方を招聘した」などと伝わり、周辺の富士・沼津・三島各市でほぼ同じ曲目が演奏されている。

曲目は、宮参りの道中など歩行時に演奏される「道囃子(籠丸)」「通囃子」「宮まいり」と、山車・屋台のひきまわし時に奏でられる「にくずし」「屋台(喧嘩囃子)」「道囃子(篭丸)」「昇殿(聖天)」などに分けられる。大胴(長胴太鼓)1人、金胴(締め太鼓)2人、笛1人、鉦1人の5人編成が基本で、笛と鉦は増員可能。山車・屋台では、ひきまわしの際に「にくずし」を奏で、競り合い時には「屋台」を奏でる。「昇殿」は競り合いに勝ったとき演奏した曲だが、現在は競り合いに優劣をつけないため、自地区内で演奏されるという。

競り合い

大正時代、産業振興や青年団の結成によって祭りの規模は拡大し、参加する山車・屋台数は増えた。そんな山車・屋台が、すれ違うこともままならない狭い道で出くわしたとき、どちらに道を譲らせるかを囃子の優劣で競ったのが「競り合い」。道を譲ることは屈辱であり、町内の面子をかけた競り合いは過熱。勝敗をめぐって喧嘩沙汰が絶えなかったという。そのため一時期、競り合いは自粛されたが、現在は優劣をつけないかたちで再開されている。

競り合いでは、まず各区代表が中央へ進み、交渉長のもと囃子方の人数など申し合わせ事項を確認。その後、立会人が提灯を掲げて「始め!」と号令、囃子は開始される。梃子方の操作によって山車・屋台をぎりぎりまで近づけ、身をのりだした囃子方が互いの目前で激しく囃す。白熱した演奏は約10分間続き、立会人が提灯を横にふる「止め」の合図とともに、双方が素早く距離をとってお囃子を終える。判定人が「甲乙つけがたく引き分けとする」と発表後に和議へ移り、御神酒の乾杯と手打ち式を経て、各区が1つの輪を作って共同踊りを行う。

神賀 競り合い
大盛り上がりだった湧玉神賀 湧玉大和連×磐穂常磐連
参考文献 市制施行65周年記念誌、富士宮秋祭り関連資料集、富士宮ばやし、富士宮秋祭りの人々、袖日記、浅間大社項での参考文献
(フォト撮影日:平成19年11月3・4日)

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